ヘルパーの瀬戸口です。

前回のつづきです。

介護の仕事(職場)で2番目に勤務した所が有料老人ホームでした。


同じテーブルに症状の異なる4人が食事をします。
しかも、そのテーブルに付ける介助者のヘルパーは1人のみ。
さあ、どうしますか?

この中で、食事で一番介助が必要な方は、Dさんです。
なので、まず、その方の隣に座ります。
その時、4人全体が見える位置に座ります。
Aさんは介助なしでご自分で召し上がる事はできますが、
認知が進んでいるので、
すぐに席を立って歩き出してしまうことがあります。
立ち上がっていないときは見守りのみで大丈夫です。
立ち上がりそうになったら駆け寄ってお声かけして座って頂きます。
次にBさんは、車イスから立ち上がることはありません。
一人でも召し上がることはできますが、
目を離したすきに隣の人のおかずをつまみ食いしてしまいます。
時々、チラっと横目で見ながら隣のおかずを取りそうになると、
すっ飛んで行って説得しておかずを戻します。
つまり、AさんとBさんは、基本見守りです。
状況に応じてその都度対応します。
さて、CさんとDさんですが、
Cさんは、いくらか認知は進んでいますが
こちらの話すことは理解され質問に対して答えていただけます。
ただ、自分で召し上がることが極度に困難です。
ほぼ、全介助で召し上がっていただきます。
嚥下障害が少ないので普通食をめしあがっています。
介助によりCさんが一口二口つまんで頂いて
口をもぐもぐしている間にDさんのところに行って介助します。
Dさんは認知症は殆ど無いですが障害があり上手く話せません。
身体も硬縮していて嚥下障害もあります。
食事はミキサー食です。
ご飯もおかずも、とろみのついたペースト状のもので、
ただ色が違うだけで同じ形状です。
毎食毎食それを召し上がっています。
毎回同じものばかり食べたくないと泣き叫ぶときもあります。
それでも召し上がって頂くよう促します。
個人的には葛藤があります。
ご利用者様の気持ちも痛く良くわかります。
しかし、入って間もないヘルパーが、先輩に口出しすれは組織から干されます。
素直に言われたとおりに動くしかないのです。
ただ、その時にできることは傾聴し少しでもなごんでいただくことです。
毎食毎食、少しずつお話を伺っていきます。
出身地や好きなこと、よく見るテレビ番組など・・・。
しかし、食事の時間が決まっており、ゆっくりもしていられないです。

(つづく)